28
Feb,
2016
リブート

問題は、始点と終点が定まっているかどうかだけです。

誰もがインスタントかつリーズナブルに偏執的な編集作業を行うことが可能になって久しい現在、時間芸術の「完成」という概念は絶対的なものではなくなりました。細部にこだわろうとすればどこまでもこだわれてしまうからこそ、唯一絶対の完成形というものに作者が到達することは困難です。

今や作品の完成を決めるのは作家性でも完成度でもなく、納期と予算だけ。
翻って言えば、納期と予算をあらかじめ切ってなかったとしたら、あらゆる時間芸術は永遠に完成されないということでもあります。

だからこそ、無理やり終点を決めてあげることも時には重要になってくるわけで。

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7か月のご無沙汰です。
久しく開店休業状態が続いていましたが、このたび心機一転サイトをリニューアルしまして、再稼働することにいたしました。

前回ラストの日記を読まれた方や、昨夏以前からTwitterをフォローしてくださっている方々はご承知かと思いますが、アサミ・ラムジフスキーは一度死んだんです。
いや、なにも観念的な話をしたいわけではなくて、さだまさしに感化されたわけでも全然なくて、実際にこの世からこの名前を抹消することに一度決定したということです。2015年7月末で、全部リセットしようと。

理由はいくつもあるのですが、最も大きい部分は、ちょっとこの名前を長く使いすぎてしまったなーという点でした。

字面的にも響き的にも悪目立ちする名前ですし、本名ではないとはいえ匿名でもないのがペンネームというものですから、ウェブ上であれこれ活動してるとなにかと厄介なことがあったりなかったりするわけです。
まあ、見ず知らずの人にちょろっとdisられた程度で落ち込んだりするような性分ではないのですが、酔ってるとスルーできずに真正面から迎撃しちゃったりするので(てへぺろ)、延々とクソリプを送りつけられるのも面倒くさいですしね。

もうひとつは、かれこれ10年ほど使ってる名前であるにもかかわらず、口頭で名乗るときにどうもしっくりこなかったという点。シニフィエとシニフィアンがいまいち馴染んでなかったというか、単純に滑舌的にちょっと言いづらかったというか。

それから、自己紹介するときの名前の使い分けが難しくなってきたという面もあります。
近年は交友関係的に、日常生活と創作活動がほとんどシームレスな状況になっていて、いつもどう名乗るか悩んでしまうわけです。これがもうちょっと本名っぽいペンネームだったらどんな場面でも平然と言えるわけですが、如何せんアホみたいなペンネームなもので、チョイスを間違えるとほら、変な感じになっちゃうじゃないですか。

などなどありまして、10年間ご愛顧いただいた人格をぶっ殺すことにしたのが、昨年夏のこと。
短篇集『光源のない走馬燈』を「遺作」という体でまとめたのも、こういった事情があったためです。

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というわけで、それから1ヶ月ほどかけて新しい名前を考えることにしていました。
実際、候補はいくつかあって、ほぼ二者択一ぐらいの状況にまでは絞られていたのです。

ところが、その旨を何人かの方々に伝えたところ、「あの名前好きだったのにー」的なことを言われることが多々ありまして。
また、ここ数年プライベートで仲良くしているような友人知人は、8割方僕のことを「アサミさん」と呼んでいて、「おやおや? もしかすると今さら名前を変えるほうが面倒なのでは?」などと思うようにもなってきて。

やはりこう、曲がりなりにも今まであれこれ作品を発表してきたわけですし、大手ニュースサイトに名前が載ったこともありますし、トータルで見るとやっぱり改名はマイナスのほうが大きいのかなーなどと少しずつ考えを改めるようになりました。

あとは、わりと良い紙で昨春に作った名刺が全然捌けてなかったからMOTTAINAI!みたいな側面もありつつ。

そんなこんなで、11月の時点でアサミ・ラムジフスキーが再誕したのでございました。
なんかちょっと、SNSで辞める辞める詐欺をしがちなメンヘラかまってちゃんみたいでダサいな、とは思ったのですが、こういった顛末なので生温かい目で見守っていただけますればこれ幸い。

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というわけで、冬の時点でサイトもリニューアルしようと思ってたんですよ。どうせなら、レイアウトから階層から全部見直して、レスポンシブ対応もして、完全フルリニューアルオープンをしてやろうと。

ところがどっこい、久しくサイト構築をしていなかったものですから、すっかり最近のウェブのトレンドからは置いていかれてるし、そもそも古い技術すらブランクのせいで覚束ないし、おまけに本業が忙しくてなかなかまとまった時間も割けないしで、どうやら本気でフルリニューアルしようとすると半年以上かかっちゃいそうな感じになっていましてね。
だもんで、理想論は窓から放り捨てて、とりあえず上っ面だけをすげ替えたマイナーチェンジと相成りました。

今後はそこそこ更新していこうかと思っておりますので、たまには思い出して覗いてやってくださると励みになります。

以上、再稼働のご挨拶でした。

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